8章 医療事故刑事裁判事例のエラーによる類型
多くの医療過誤事例では、医療機関のシステム(管理、教育、作業プロセスなど)の問題が多かれ少なかれ原因因子として働いている(7章参照)。このためシステムの瑕疵、すなわち組織・教育・技術・人事・労働環境・制度設計・管理運用・管理責任などの不完全性と機能不全の側面を明らかにすることは、事故の原因を究明し、再発防止に役立てるために不可欠な作業である。
そこで刑事医療過誤事件の全貌を理解するために、過去100例の医療過誤事件について、そのエラーに着眼して分類した。
8-1 刑事医療過誤事件の類型化の試み
1)エラーの7類型
裁判記録から読み取れる事故の原因について以下のような類型化を試みた。言うまでもないことだが、資料は判決書、裁判資料であり、我々の検討は「後知恵」に過ぎない。また事故原因の分析は、刑事捜査によって個人の過失を云々するために記録された資料を元にしているので、事故原因の考察としては適切ではない。
通常、事故を引き起こすエラーは、「意図した行為を思い通りにできなかったもの(実行上のエラー)と、目的を達成するために間違った計画を採用したもの(意図した行動そのものが間違っていた計画上のエラー)」(“To Err is Human”におけるReason J, 1990より)に分けて考えられるが、以下のカテゴリーで用いるエラーは前者である。後者は、ここではエラーと呼ばず、「医療知識の不足、医療技術の不足、衛生管理の不足」などとした。また、エラーは、うっかり(slips)と抜け(lapses)と思い違い(mistakes)に分けると、自覚されないミス、他人には見つけられないミスが整理されるが、裁判の資料を信頼してこの点までを論ずることには無理があると思われた。
なお、この類型化では刑事性の強い事例は対象としなかった。
(1)医療知識の不足 |
医療従事者として求められるべき知識が不足していることが原因で起こった事故、特定機能病院や大学病院などでは求められる水準は高くなる。 |
(2)確認のエラー |
接続間違え、流量の間違え、誤記載、誤処方など単純なエラー、そしてこうしたエラーをチェックできなかった事故 |
(3)伝達のエラー |
引継ぎや口頭指示などの際に情報が取り違えて伝わったことによる事故 |
(4)医療技術の不足 |
担当する医療従事者であれば求められるべき医療技術が不足していることが原因で起こった事故 |
(5)手技のエラー |
一連の手技操作において事故が起こった場合がこれにあたる。必ずしも術者の技術不足だけではなく、手技が潜在的にもつ起こりうる有害事象 |
(6)安全注意看過 |
患者の状態を十分把握していなかった、監視していなかったことで事故に到った事例 |
(7)衛生管理の不足 |
感染予防や感染の拡大を防ぐ手だてが不足していたことによって起こった事故 |
類型化の作業は判決文を参考にしているため、実際に事故が発生した医療現場の状況を必ずしも正確に反映したものとなっていない可能性がある。当事者から見れば、裁判の場で描かれた判決書を評価検討する作業は、実際の現場を見ずに傍観しているにすぎないとされるかもしれない。断片化しすぎることによって、個々人の過失の範囲が曖昧にありかねないという懸念もある。
医療安全委員会のスキームにおいては、急性期診療や高度医療の現場に平素から関わっている医師、看護師など様々な立場の者が事故の「背景」を明らかにしていくことによって、より根本原因に迫る分析を可能にすること、そして効果的な再発防止策に繋げていくことが期待される。
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8-2 7類型の実際
(1)医療知識の不足
このカテゴリーに含まれるのは医療に携わる者であれば当然備えておくべき医学知識、看護知識、薬剤や医療機器に関する知識が欠如していたことが事故の背景となっていると推測される事例である。例えば、トロンビン誤注入事故(No.29)は出血性胃潰瘍で入院中の患者に対し、止血目的でトロンビン局所用液とマルファ液の混合液を経口あるいは経鼻管チューブで投与すべきであるのに、点滴用チューブに混合液を注入し、その結果患者が血栓形成からの循環不全で死亡した事例である。トロンビンはその薬理作用から強い血液凝固作用をもち、止血のメカニズム、血栓形成による止血目的としての薬剤の使用等、適応疾患と使用方法について理解が求められる薬剤である。しかしながら看護師はカルテ、使用方法の確認、薬品名や投与方法の質問等せず静脈注射してしまった。薬剤を使用する前に、処方医師、他の看護師の確認も求められるが、薬理作用についての医療知識の不足が事故の背景として考えられる事例である。
このタイプの事故に対しては、過誤の発生を契機に当該あるいは類似薬剤の薬理作用の再確認、過量投与あるいは誤投与による危険性の周知、考えられる予防策の実行等が教育および再発防止に有効であろう。
カリウム製剤静脈注入事故(No.42)は、塩化カリウム製剤を他の点滴液と混合して点滴すべきところを、直接静脈注射し患者が高カリウム血症による心停止により死亡した事例である。
こうした事故をきっかけに(あるいはニアミス事例を教訓に)静注薬で急速投与が生命に危険を及ぼす薬剤、すなわち抗不整脈薬(No.88)、昇圧薬(No.46)、カリウム製剤(No.54)の薬理作用の確認、急速投与を避けるための予防策(目立つ印を付ける、処方時および使用時に注意警告を発する等)といった検討がなされるべきである。実際、抗不整脈薬については、病棟に設置する製剤の統一や高含有量製品の低濃度化等の対策が講じられている。また、トロンビン製剤については、点滴チューブには物理的に接続不能な製剤が発売されるようになった。
このような取り組みは事故の起こった当該医療施設だけでなく、広く医療機関に周知される必要があり、有効な予防策であれば速やかな徹底がなされなければならない(カリウム製剤誤投与の刑事処分の繰り返しと事故再発防止対応の遅れについては7-2、1)に詳述)。
表 7類型(1)医療知識の不足に起因する事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 医療知識以外の要素 |
5 |
○○美容外科形成外科 |
麻酔薬過量投与事故 |
局所麻酔薬過剰注入 |
|
8 |
市立急患診療所 |
抗ヒスタミン剤過量投与事故 |
抗ヒスタミン剤を過量処方 |
確認のエラー |
14 |
○○病院 |
異常分娩看過事故 |
胎児仮死徴候があるも処置せず |
医療技術の不足 |
20 |
○○病院 |
呼吸用器具(インナーカニューレ)交換時誤操作事故 |
インナーカニューレの誤装着 |
手技のエラー、確認のエラー |
21 |
○○病院 |
呼吸用器具(Tピース)誤接続事故 |
Tピースの誤接続 |
手技のエラー、確認のエラー |
29 |
公立○○病院 |
トロンビン誤注入事故 |
止血用のトロンビンを静脈内注入 |
確認のエラー |
34 |
○○市民病院 |
筋弛緩剤静脈注入事故 |
サクシゾンとサクシンの取り違え |
確認のエラー |
35 |
○○病院 |
薬剤(アジ化ナトリウム)誤投与事故 |
アジ化ナトリウムを経口薬と誤信 |
確認のエラー |
42 |
○○病院 |
カリウム製剤静脈注入事故 |
カリウムを希釈せず注射 |
確認のエラー |
43 |
○○大学医療センター |
抗がん剤過剰投与事故 |
抗がん剤を過剰処方、投与 |
確認のエラー |
46 |
○○病院 |
昇圧薬過剰投与事故 |
ドパミン製剤を過剰投与 |
確認のエラー |
49 |
○○総合病院 |
人工呼吸器誤接続事故 |
アラーム後ホースを誤接続 |
確認のエラー |
54 |
○○赤十字病院 |
カリウム製剤静脈注入事故 |
混注の指示でカリウム製剤を注入 |
伝達、確認のエラー |
75 |
○○脳外科病院 |
注射薬敗血症事故 |
ヘパリン生食にセラチア混入 |
衛生管理のエラー |
86 |
○○病院 |
カリウム製剤静脈注入事故 |
じんましんにカルシウム、カリウムを間違えて注射 |
伝達のエラー |
87 | ○○病院 | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤の過剰投与 | 確認のエラー |
88 | ○○病院 | 抗不整脈薬過剰投与事故 | キシロカインの高濃度過剰投与 | 伝達のエラー |
89 | 国立○○病院 | ステント留置術腸管穿孔事故 | 食道用ステントを十二指腸に使用、穿孔 | 医療技術の不足 |
92 | ○○病院 | 注射薬誤処方事故 | 中心静脈栄養にビタミンB1を混入せず | |
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(2)確認のエラー
このカテゴリーには機器の接続間違え、流量の間違え、誤記載、誤処方等単純なエラーが含まれる。そしてこうしたエラーを検出して事前に防止できなかった点も事故の背景を構成する重要な要素である。通常こうした事故の発生は、細かいエラーの連鎖によって発生する。従って関連する業務プロセスが複雑であったり、関係者が複数であることが多い。例えば、手術の患者引き渡しの取り違え事故(No.18)では、病棟看護師、手術室看護師、手術担当麻酔科医、麻酔科研修医、執刀医、主治医等多数の医療従事者が患者の診療に関与していた。患者を病室から手術室に搬送し手術台に移動させ、手術の執刀を開始し、術式を終了するという一連の流れには問題がない、しかしながら最も基本的といえる各プロセスにおける患者の確認作業が全く機能しなかった。患者の確認に関わる作業は一連の流れの中で複数回あり、全て不十分あるいは軽視されていた。一方で手術室まで一人で二人の患者を移送する、カルテを同時に二人分搬送する、同時に引き渡しを受ける、麻酔医が麻酔をかけ、術者が手術を開始する間には多くの確認の機会があった。多数の医療従事者が関わりながら初歩的なミスを見過ごし外科処置を完了し、チーム医療がかえって無責任医療になる危険性が指摘された。
経胃管薬剤あるいは栄養剤を注射ラインに注入した薬剤誤注入事故(No.47、48)では、本来胃管に注入すべき薬剤を注射ラインに注入したことにより患者が死亡あるいは重篤な状態となった。薬剤の誤注入を防ぐため、注射ラインに注入してはならない薬剤(経腸栄養剤、内服薬等)は注射器や接続ラインの色や構造を注射ラインと変えることによって予防措置をとることが一般的になっている。しかしながら、こうした予防措置が十分なされていない、なされていても十分機能しなかったために事故が発生してしまった。誤認、思いこみ、思い違いや勘違いの連鎖が事故の背景に存在する。
こういった事例は小さな見逃し、確認ミス等のいわゆるヒヤリハット事例を、より大きな事故を起こす警鐘事例と考えて個々のプロセスの問題を明らかにし、予防策をとることが有効であると考えられる。
異型輸血(No.11、24、30)では、患者氏名の確認、患者から得た血液型確認用の検体、患者血液型の確認、使用する予定の血液製剤の血液型確認等一連のプロセスのいずれかにエラーがあることで患者の死亡という重大な転帰を招いてしまった。異型輸血を防止するための、リストバンドや呼称による本人確認、複数の医療者による確認、ベッドサイドでの血液型の表示等は医療者だけでなく、患者を含めた取り違え防止のための意識の向上を図るために有効であり、こうした防止策が同様の原因で起こる他の確認エラーの対策にも役立つ。
ヒヤリハット事例の結果が重篤でない場合であっても、頻繁に繰り返される事例、重篤な結果を招くおそれがある事例では、その背景となった確認作業の不備を明らかにすることで、重大な事故を防ぐ転機となりうることを念頭に対応しなければならないであろう。
表 7類型(2)確認のエラーによる事故No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 確認のエラー以外の要素 |
1 | ○○産婦人科医院 | 術後ガーゼ遺残事故 | 帝王切開術後ガーゼ遺残 | |
2 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤接続事故 | 加湿器吸水後呼吸器誤接続 | |
6 | 都立○○病院 | 消毒薬誤注射事故 | 消毒薬の誤注入 | 伝達のエラー |
8 | 市立急患診療所 | 抗ヒスタミン剤過量投与事故 | 抗ヒスタミン剤を過量処方 | 医療知識の不足 |
9 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤操作事故 | 人工呼吸器停止後作動確認せず | 手技のエラー |
11 | 厚生連○○病院 | 異型輸血事故 | 異型輸血 | |
12 | ○○大学病院 | 抗がん剤誤投与事故 | 内服薬オーダー時似た名前の抗がん剤を処方 | |
13 | 県立○○循環器病センター | インスリン過量投与事故 | インスリン持続点滴による低血糖昏睡 | |
17 | ○○研究会病院 | 抗がん剤過量投与事故 | 抗がん剤の過剰投与 | |
18 | ○○大学病院 | 患者取り違え事件 | 手術の引き渡しの取り違え | 伝達のエラー |
20 | ○○病院 | 呼吸用器具(インナーカニューレ)交換時誤操作事故 | インナーカニューレの誤装着 | 手技のエラー、医療知識の不足 |
21 | ○○病院 | 呼吸用器具(Tピース)誤接続事故 | Tピースの誤接続 | 手技のエラー、医療知識の不足 |
23 | ○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 手技のエラー |
24 | 町立○○病院 | 異型輸血事故 | 異型輸血 | |
25 | 国立○○循環器病センター | 心筋保護液調合事故 | 蒸留水を心筋保護液として使用 | 伝達のエラー |
26 | 市立○○病院 | ギブスカット時熱傷事故 | ギブスカッターの刃による熱傷 | 手技のエラー |
28 | 県立○○病院 | 透析回路空気誤注入事故 | 透析終了時に回路から空気誤注入 | 手技のエラー |
29 | 公立○○病院 | トロンビン誤注入事故 | 止血用のトロンビンを静脈内注入 | 医療知識の不足 |
30 | ○○大学病院 | 異型輸血事故 | 異型輸血 | |
31 | ○○総合病院 | 陣痛誘発薬誤注入事故 | 陣痛誘発薬の誤投与 | |
32 | ○○市民病院 | 院内感染敗血症事故 | 使用済み注射器のセラチア感染 | 衛生管理のエラー |
33 | ○○病院 | 薬剤(ヨード造影剤)誤注入事故 | 胸部造影剤のヨードアレルギー | |
34 | ○○市民病院 | 筋弛緩剤静脈注入事故 | サクシゾンとサクシンの取り違え | 医療知識の不足 |
35 | ○○病院 | 薬剤(アジ化ナトリウム)誤投与事故 | アジ化ナトリウムを経口薬と誤信 | 医療知識の不足 |
36 | ○○産婦人科医院 | 術後ガーゼ違残事故 | 術後ガーゼ違残 | |
37 | ○○赤十字病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 手技のエラー |
39 | 国立○○母子医療センター | 昇圧薬過剰投与事故 | ドパミンをシリンジポンプで過剰投与 | |
42 | ○○病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | カリウムを希釈せず注射 | 医療知識の不足 |
43 | ○○大学医療センター | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤を過剰処方、投与 | 医療知識の不足 |
46 | ○○病院 | 昇圧薬過剰投与事故 | ドパミン製剤を過剰投与 | 医療知識の不足 |
47 | ○○市民病院 | 薬剤誤注入事故 | 経胃管薬剤を注射ラインに注入 | |
48 | ○○大学病院 | 薬剤誤注入事故 | 経腸薬剤を注射ラインに注入 | |
49 | ○○総合病院 | 人工呼吸器誤接続事故 | アラーム後ホースを誤接続 | 医療知識の不足 |
54 | ○○赤十字病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | 混注の指示でカリウム製剤を注入 | 伝達のエラー、医療知識の不足 |
56 | ○○大学病院 | 人工呼吸器エタノール注入事故 | エタノールを加湿器に注入 | 伝達のエラー |
58 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤操作事故 | 人工呼吸器停止後作動確認せず | |
59 | 市立○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入、肺炎の診断書 | 手技エラー |
60 | ○○大学医療センター | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤を過剰処方、投与 | 知識の不足、伝達のエラー |
62 | 国立○○病院 | カテーテル空気塞栓事故 | カテーテルから空気注入 | |
66 | 国立○○病院 | 麻酔薬過剰投与事故 | 麻酔薬の流量間違い | |
69 | 県立○○病院 | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤の過剰投与 | 伝達のエラー |
71 | ○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 手技のエラー |
72 | ○○赤十字病院 | 気管誤挿管事故 | 食道挿管 | 手技のエラー |
76 | ○○総合病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | カリウム製剤を希釈せず注入 | 知識の不足、伝達のエラー |
78 | ○○大学病院 | 人工呼吸器エタノール注入事故 | エタノールを加湿器に注入 | 伝達のエラー |
79 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤操作事故 | 人工呼吸器停止後作動確認せず | |
81 | ○○赤十字病院 | カテーテル空気塞栓事故 | 造影剤注入で空気が混入 | 手技のエラー |
83 | ○○大学病院 | 抗がん剤誤注入事故 | 抗がん剤の皮下漏出 | 手技のエラー |
84 | ○○整形外科医院 | 注射薬誤注入事故 | 注射薬のアナフィラキシーショック | |
85 | ○○大学病院 | 抗不整脈薬過剰投与事故 | キシロカインの高濃度過剰投与 | 伝達のエラー |
87 | ○○病院 | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤の過剰投与 | 医療知識の不足 |
90 | ○○病院 | 注射薬誤注入事故 | 高濃度塩化ナトリウムを注入投与 | 伝達のエラー |
95 | ○○大学医療センター | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤を過剰処方、投与 | 医療知識の不足、伝達のエラー |
97 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤操作事故 | 人工呼吸器停止後作動確認せず | |
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(3)伝達のエラー
このカテゴリーには医療者間の引継ぎや口頭あるいは書面による指示等の際に情報が取り違えて伝わったことによる事故が含まれる。多くの場合、伝達した内容を実施するまでの間に確認のプロセスを含むことがあり、事故に至る要素に確認のエラーも併せて存在するが、情報の取り違えが重大な膜フを引き起こした例として別に分類した。
抗がん剤過剰投与事故(No.69)では、抗がん剤の処方を行う際に、用量を「5mg」と記入するのに、「50mg」に見誤りやすい文字で記入、薬剤師が過量のまま調剤し、そのまま患者に注射したため骨髄機能抑制をきたし、死亡に到った事例である。
カリウム製剤を「混注」するよう指示された看護師が、具体的な意味を知らないまま静脈注射した事例(No.54)等、指示内容が曖昧、間違え易い、用量の桁/単位の間違い、抗がん剤の連日投与と総量の間違い等が含まれる。こうしたエラーを防ぐためには口頭やわかりにくい筆記による指示を避ける、抗がん剤等ではオーダリングシステムによって用量違反の警告を発する、引継ぎの際に理解された内容を担当者間で確認する等の対応が考えられる。ことに抗がん剤の過剰投与を防止するためのマニュアルについては、ダナファーバー事件を受けて欧米では広く普及しており(J
Clin Oncol, 14:3148-3155, 1996)、抗がん剤過量投与事件が繰り返されたわが国の現状を厳粛に受け止めるべきである。
作業を中途で中断し、その内容が引き継がれていないことが事故の一因となった消毒薬誤注入事故(No.6)、心筋保護液調合事故(No.25)では業務中断の際の薬剤の取扱い、ラベルの作成(薬剤名あるいは単に「作業中」であることを示すもの)、引継ぎの手順についての予防策が求められる事例であった。
表 7類型(3)伝達のエラーによる事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 伝達エラー以外の要素 |
6 | 都立○○病院 | 消毒薬誤注射事故 | 消毒薬の誤注入 | 確認のエラー |
18 | ○○大学病院 | 患者取り違え事件 | 手術の引き渡しの取り違え | 確認のエラー |
25 | 国立○○循環器病センター | 心筋保護液調合事故 | 蒸留水を心筋保護液として使用 | 確認のエラー |
54 | ○○赤十字病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | 混注の指示でカリウム製剤を注入 | 確認のエラー、医療知識の不足 |
56 | ○○大学病院 | 人工呼吸器エタノール注入事故 | エタノールを加湿器に注入 | 確認のエラー |
60 | ○○大学医療センター | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤を過剰処方、投与 | 知識の不足、確認のエラー |
69 | 県立○○病院 | 抗がん剤過剰投与事故 | 抗がん剤の過剰投与 | 確認のエラー |
76 | ○○総合病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | カリウム製剤を希釈せず注入 | 知識の不足、確認のエラー |
85 | ○○大学病院 | 抗不整脈薬過剰投与事故 | キシロカインの高濃度過剰投与 | 確認のエラー |
86 | ○○病院 | カリウム製剤静脈注入事故 | じんましんにカルシウム、カリウムを間違えて注射 | 医療知識の不足 |
88 | ○○病院 | 抗不整脈薬過剰投与事故 | キシロカインの高濃度過剰投与 | 医療知識の不足 |
90 | ○○病院 | 注射薬誤注入事故 | 高濃度塩化ナトリウムを注入投与 | 確認のエラー |
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(4)医療技術の不足
このカテゴリーには、担当する医療従事者であれば求められるべき医療技術が不足していることが事故の背景となっていると考えられる事例が含まれる。
吸引分娩血腫事故(No.73)では難産で自然分娩が困難な状況であり、吸引遂娩術を試みたが、20数回に渡って吸引遂娩を繰り返したため、児に巨大頭血腫を形成、死亡に到った事例である。
医療における治療行為の評価は、それによってもたらされた結果のみによってなされるのではなく、医学的適応性(患者にとって必要な治療行為か)、医学的正当性(その治療を行うことが相当であるか)、合意に基づいて行われているか、倫理的観点からみて問題がないか等、様々な視点でなされなければならない。
こうした仕組みを担保する仕組みとしてピアレビューによる医療者相互の自律的な評価、技術習得と評価のシステム、専門医制度等の活用等が考えられる。
高リスク事例や高度の治療技術を要する事例などでは、高機能病院への患者の紹介システムの確立等機能の集約化を図ることも有効であると考えられる。集約化された病院が、教育研修の場として機能することにより、より安全に治療を行うための技術や経験が蓄積されていくことが期待される。
表 7類型(4)医療技術の不足に起因する事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 医療技術の不足以外の要素 |
14 | ○○病院 | 異常分娩看過事故 | 胎児仮死徴候があるも処置せず | 医療知識の不足 |
38 | ○○産婦人科医院 | 人工妊娠中絶子宮破裂事件 | 5ヵ月での妊娠中絶手術 | 傷害致死 |
73 | ○○産婦人科医院 | 吸引分娩血腫事故 | 吸引分娩で頭部血腫、胎児仮死 | |
89 | 国立○○病院 | ステント留置術腸管穿孔事故 | 食道用ステントを十二指腸に使用、穿孔 |
医療知識の不足 |
100 | ○○大学病院 | 前立腺摘除術出血事故 | 前立腺手術での大量出血 | 安全注意看過 |
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(5)手技のエラー
このカテゴリーには、一連の手技操作において事故が起こった場合が含まれる。必ずしも術者の技術不足だけではなく、潜在的に事故を起こしうる手技による有害事象と考えられる事例をこれにあてた。
胃管を肺に誤挿入した事例(No.23、59、71)では胃管を経鼻的に挿入する操作においてある一定の確率で気管支、肺に挿入される事態が起こりうる。これはどんなに注意深い医療者が行っても起こる。しかしそれぞれの事例では胃内への留置が十分確認されていない状態で薬剤や栄養剤が注入され、肺炎や呼吸不全、窒息によって死亡するに到っている。
手術や処置において、術式の選択は適切であるか、安全機構や事故防止策がどれだけ機能しているか、事故が起こった場合のバックアップ(鏡視下手術の経過が不良であれば躊躇なく開腹手術に切り替える等、No.63、77)がなされたか、等が問題になる。
想定される主な有害事象についての患者家族との事前の情報共有、当該病院内外における情報収集が求められる。一方でこうした事例では、リスク事例、事故事例を収集することで、潜在的なリスクを明らかにし、より安全な手技への改良が求められる。患者および家族の支援、紛争防止のための無過失補償制度の導入が最も望まれるのはこの類型であると考えられる。
表 7類型(5)手技のエラーによる事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 手技エラー以外の要素 |
4 | 広域連合○○病院 | 手指誤切断事故 | テーピング切断時指切断 | |
9 | 国立療養所○○病院 | 人工呼吸器誤操作事故 | 人工呼吸器停止後作動確認せず | 確認のエラー |
19 | ○○病院 | 硬膜外穿刺術事故、救急蘇生遅滞事故 | 硬膜外穿刺で脊髄麻酔 | 安全注意看過 |
20 | ○○病院 | 呼吸用器具(インナーカニューレ)交換時誤操作事故 | インナーカニューレの誤装着 | 確認のエラー、医療知識の不足 |
23 | ○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 確認のエラー |
26 | 市立○○病院 | ギブスカット時熱傷事故 | ギブスカッターの刃による熱傷 | 確認のエラー |
28 | 県立○○病院 | 透析回路空気誤注入事故 | 透析終了時に回路から空気誤注入 | 確認のエラー |
37 | ○○赤十字病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 確認のエラー |
44 | 県立○○病院 | 腎尿管摘出術大静脈損傷事故 | 腎切除で下大静脈損傷 | |
50 | ○○総合病院 | 鏡視下手術動脈損傷事故 | 鏡視下手術で腕頭静脈を損傷 | |
53 | 県立○○病院 | 胸骨骨髄穿刺動脈損傷事故 | 胸骨骨髄穿刺の動脈損傷 | |
57 | ○○クリニック | 静脈瘤手術動脈損傷事故 | 静脈瘤手術で動脈損傷 | |
59 | 市立○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入、肺炎の診断書 | 確認のエラー |
63 | 国立○○病院 | 鏡視下脾臓摘出術動脈損傷事故 | 鏡視下手術で大動脈損傷 | |
64 | ○○病院 | 気管誤挿管事故 | 食道挿管 | |
65 | ○○脳外科病院 | 椎間板ヘルニア手術大動脈損傷事故 | 椎間板ヘルニア手術で大動脈損傷 | |
68 | ○○市民病院 | ペースメーカー植え込み術血管損傷事故 | ペースメーカー植え込みで心タンポナーデ | 安全注意看過 |
70 | ○○大学病院 | 透視検査転落事故 | 透視台から転落 | |
71 | ○○病院 | 胃管誤挿入事故 | 胃管を肺へ誤挿入 | 確認のエラー |
72 | ○○赤十字病院 | 気管誤挿管事故 | 食道挿管 | 確認のエラー |
77 | ○○病院 | 胆嚢摘出手術事故 | 胆嚢摘出時総胆管損傷、術後腹膜炎の処置遅れ | 安全注意看過 |
80 | ○○総合病院 | 中心静脈穿刺動脈損傷事故 | 中心静脈穿刺で動脈損傷 | |
81 | ○○赤十字病院 | カテーテル空気塞栓事故 | 造影剤注入で空気が混入 | 確認のエラー |
83 | ○○大学病院 | 抗がん剤誤注入事故 | 抗がん剤の皮下漏出 | 確認のエラー |
94 | ○○クリニック | 身体拘束、鎮静剤投与事故 | 鎮静剤と身体拘束の後窒息 | 安全注意看過 |
96 | ○○大学病院 | 人工心肺脱血不良事故 | 人工心肺での脱血不良 | |
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(6)安全注意看過
このカテゴリーには処置、機器の操作等で患者に不測の事態が発生した、あるいは重篤な状態であるにも関わらず検査や処置が遅れた、行われなかったことが事故につながっていると推測される事例が含まれる。
医療行為は、医療を目的とし、手段としても相当な行為として行われること、そして患者の同意があったときに初めて医療行為たりうる。直接的に検査や治療目的で投与した薬剤により患者の状態が悪化する誤投薬や過剰薬剤投与と異なり、患者監視モニターでの心室細動という緊急事態での対処が遅れた事例(No.10)、胆嚢摘出手術後に腹膜炎の徴候があったが治療が遅れた事例(No.77)等、医療における安全の確認作業の不作為による医療事故がこれにあたる。
「安全注意」という言葉の定義は難しいが、医療という結果が不確実な侵襲行為においては、その不確実さ故に考えられる危険性、起こりうる不測の事態に対してさまざまな可能性を念頭にして医療行為に臨むことが求められる。事故や過誤を念頭にして医療行為に臨むことは萎縮医療を生む可能性をはらんでいる。しかしながらこうしたリスク情報を医療者相互だけでなく、患者家族をはじめとする社会と共有することは、互いの医療に対する問題意識をすり合わせ、信頼された医療者患者関係を築いていくためには不可欠である。こうした事例は医療技術や薬剤・機器の取扱いについての再教育を行うよりもむしろ、機器や薬剤の安全情報によって広く注意を喚起する、類似の事例を収集し対策案を策定する方法が望ましいと思われる。
例えば、X線透視台からの転落事故(No.22)では、下半身が不自由で直立不能な高齢患者に対し、透視台を水平方向から垂直方向に傾斜させたことで患者が転落し、脳挫傷によって死亡している。このケースでは、透視台の直立あるいは頭位を下げることによる転倒事故が多いこと、こうした事故が特に高齢者において起こりやすいことが想定されるので、介助者を付ける。急速な直立方向への傾斜を行わない、透視台の高さを下げる、注意を促す声掛けをする等の対応が有効であったかもしれない。
検査や処置、手術に続いて起こりうる不測の事態を事前に予測することは非常に難しい試みである。しかしながら潜在的な危険性を列挙したり、事故情報を集めたり、被害を最小限にとどめるための二重三重の対策を行うことは不可能ではない。例えば、腸管洗浄剤による穿孔事故(No.82)では、事前の検査所見から大腸癌による腸管狭窄が強く疑われる患者に対して、腸管内圧を上昇させる腸管洗浄剤を処方したことで腸管穿孔をきたし、患者が死亡している。大腸癌の確定診断を得るための検査のプロセスとしては間違っていなかったかもしれないが、患者の状態から考えて腸管洗浄剤を用いない検査、あるいは大腸内視鏡以外の検査、検査の前に狭窄症状に対する治療が求められた事例であった。
表 7類型(6)安全注意看過に起因する事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 安全注意看過以外の要素 |
7 | ○○社会保険病院 | 保育器手入窓乳児転落事故 | 保育器から乳児落下 | |
10 | 社会保険○○市民病院 | 術後心室性不整脈見落とし事故 | 心室細動の処置遅れ | |
19 | ○○病院 | 硬膜外穿刺術事故、救急蘇生遅滞事故 | | 手技のエラー |
22 | 府立○○病院 | 透視検査転落事故 | 透視台からの転落 | |
27 | ○○総合病院 | 授乳時乳児落下事故 | 授乳時に児を落下 | |
40 | 県立○○病院 | 透視検査趾切断事故 | 透視台に脚指挟まれる | |
51 | ○○大学病院 | 新生児うつぶせ寝事故 | うつぶせ寝での呼吸停止 | |
61 | ○○拘置所 | 気管支喘息事故 | 喘息重積発作で処置せず | |
68 | ○○市民病院 | ペースメーカー植え込み術血管損傷事故 | ペースメーカー植え込みで心タンポナーデ | 手技のエラー |
77 | ○○病院 | 胆嚢摘出手術事故 | 胆嚢摘出時総胆管損傷、術後腹膜炎の処置遅れ | 手技のエラー |
82 | ○○病院 | 腸管洗浄剤穿孔事故 | 腸管洗浄剤で腸管穿孔 | |
94 | ○○クリニック | 身体拘束、鎮静剤投与事故 | 鎮静剤と身体拘束の後窒息 | 手技のエラー |
99 | ○○大学病院 | 割りばし刺創事故 | 割り箸刺創による頭蓋内損傷 | |
100 | ○○大学病院 | 前立腺摘除術出血事故 | 前立腺手術での大量出血 | 医療技術の不足 |
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(7)衛生管理の不足
このカテゴリーには感染予防や感染の拡大を防ぐ手だてが不足していたことによって起こった事故が含まれる。日和見感染や院内感染は依然として大きな問題であり、院内死亡や入院期間の延長につながる。病院だけではなく、老人施設等でもレジオネラ、結核、セラチア等の感染症、食中毒等が問題になりうる。こうした事例では感染源をあきらかにすること、有効な治療および予防策を速やかに講じることで被害の拡大を防ぐことが、公衆衛生の維持の上でも最も重要である。日々の感染情報の共有、感染症関連法令の運用とともに、アウトブレイク事例では保健所をはじめとする当局の監視等の仕組みが有効に活用されることが求められる。
表 7類型(7)衛生管理の不足に起因する事故
No. | 医療機関 | 事故・事件 | 概要 | 衛生管理の不足以外の要素 |
32 | ○○市民病院 | 院内感染敗血症事故 | 使用済み注射器のセラチア感染 | 確認のエラー |
75 | ○○脳外科病院 | 注射薬敗血症事故 | ヘパリン生食にセラチア混入 | 医療知識の不足 |
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8-3 事故の類型化の意義
以上刑事医療過誤事件について簡略なカテゴリー分けが可能であることを示した。本来は、刑事手続きのための資料ではなく、再発防止の観点から事故に際して重大事象分析をしなければならないが、その類型化においても以上の分類は参考になるであろう。
医療事件の類型化によって、診療関連死の全例報告で重要になる初期判定員(私たちの提言ではこの初期の篩い分けが重要である、1-4、3))のトリアージは、過去の事例を参考にして可能になる。また、再発防止の対応策を考えるベースラインとしてカテゴリー分けが有効だろう。さらに医療者に対する教育処分を考える際に、事故の背景に基づく分析と対策を可能にする手段として効果が期待される。例えば、単純な点滴ラインの接続ミスを犯した医療者に対して、点滴薬の組成や作用機序について教育を行ったり、医療倫理について指導徹底を行うことは、医療事故の教訓を生かすうえで一つの試みではある。しかし、医療事故の背景を考えると、より優先すべき課題として、安全なライン接続のための確認作業の徹底、ラインの色や形状を変える等の二重三重の予防策の提案等、事故の予防や被害の拡大を防ぐような対策をするべきである。個々の事故事例の原因や背景を類型化することによって、より有効な事故防止策、補償のための対策がもたらされることが期待される。その中には前向きなリスク情報の収集と利用、ピアレビューによる医療者相互の自律的な評価、無過失補償制度等が含まれる。
類型 | 原因 | 対策 |
(1)医療知識の不足 | 医療従事者であれば求められるべき知識が不足していることが原因で起こった事故 |
事故の原因となった医療知識の再確認、再教育
類似の薬剤、機器による事故についての注意喚起
前向きなリスク情報の収集と対策
医療機関への注意喚起、予防策の提言 |
(2)確認のエラー |
機器の接続間違え、流量の間違え、誤記載、誤処方等単純なエラー |
ヒヤリハット事例の収集
個々のプロセスの問題を明らかにし、予防策をとる
医療機関への注意喚起、予防策の提言 |
(3)伝達のエラー |
引継ぎや口頭指示等の際に情報が取り違えて伝わったことによる事故 |
口頭やわかりにくい筆記による指示を避ける オーダリングシステムによる用量違反の警告 引継ぎの際の担当者間での確認作業 |
(4)医療技術の不足 |
医療技術が不足していることが背景となった事故 |
ピアレビューによる医療者相互の自律的な評価
技術習得システム
専門医制度
患者、医療者の集約化 |
(5)手技のエラー |
一連の手技操作において事故が起こった場合。手技が潜在的にもつ起こりうる有害事象 |
患者家族との事前の情報共有
安全機構や事故防止策
事故が起こった場合のバックアップ
当該病院内外における情報収集 無過失補償制度の導入 |
(6)安全注意看過 |
患者の状態を十分把握していなかった、監視していなかったことで事故に到った事例 |
機器や薬剤の安全情報によって広く注意を喚起する
類似の事例を収集し対策案を策定する
前向きなリスク情報の収集と対策 |
(7)衛生管理の不足 |
感染予防や感染対策の不足による事故 |
感染症関連法令の運用
感染情報の共有
アウトブレイク事例では保健所の査察等 |
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参考文献
神谷惠子編著『医療事故の責任』毎日コミュニケーションズ, 東京, 2007
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