「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」に対する意見

4.患者(遺族)の権利擁護に重きをおく

第15 遺族からの医療事故調査の求め等
1 医療に係る事故に起因して死亡又は死産したと疑う当該死亡した者又は死産児の遺族は、○○大臣対しに、地方委員会に医療事故調査を行わせることを求めることができる。

注)遺族からの調査の求めの手続は、病院等の管理者が代行することができる。(施行規則)

遺族からの申出を認めたことには、評価に値する。施行規則で予定されている「調査の求めの手続は、病院等の管理者」だけでなく遺族の要望に応じて調整看護師などが代行できるようにするべきであろう。
 丁寧な事後説明や被害者に配慮した対応により、双方に負担の大きな紛争を避けられるケースも少なからずあると考えられる。こうした対応の最前線になるのは患者と家族に最も近い医療者であり、メディエーションスキルを備えた人材であろう。このための初期判定員(メディカルエグザミナー)の関与は、1.でも述べたが、患者(遺族)のためだけでなく、医療者にとっても必要である。第三次試案以降、遺族からの申し出を認めることで、患者(遺族)の権利擁護を重視した点は重要であるが、一方で患者(遺族)にとって求められる医療事故の解決のための方策を打ち出すこと、つまり1)適切な初期対応、2)必要であれば謝罪、3)迅速な原因調査、4)継続的な情報共有と対話、5)速やかな補償、6)実効性のある再発防止対策、7)施策の有効性検証などの、調査制度の周辺の問題についても重視して整備していく必要性を認識すべきである。

第32 医療法の一部改正
(1)病院等の管理者の医療事故に関する説明義務
医療事故に対する説明義務を規定したことは評価すべきである。また、その前提として、民主党案にもあるように、患者または家族(遺族)に診療記録等の開示を明文で義務付けることも重要である。

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